皆さんは七夕という行事を聞いたことがありますか?
七夕は「たなばた」もしくは、「しちせき」とも呼び、
古くから日本に伝わる伝統行事の一つです。
毎年、7月7日に、願い事を書いた色とりどりの短冊や
様々な飾りを笹の葉につるして、お願いごとをします。
私たちの身近な七夕は、いつ始まったのでしょうか?
○七夕の起源
七夕の起源は中国の乞巧奠(きこうでん)という行事が関係しています。「乞」は願う、「巧」は巧みに上達する、「奠」はまつる、とそれぞれに意味があり、織姫のように機織りが上手になれるようになど様々な習いごとの上達を願いました。
乞巧奠は、平安時代に日本へと伝わると宮中行事として取り入れられるようになり、宮中の人々は、様々な食べ物をお供えし、お祭りとして、詩歌を楽しみました。
○七夕が庶民の行事へ
江戸時代になると、庶民の間でも七夕の行事が行われるようになりました。人々は食べ物をお供えし、習い事の上達を願います。この頃から5色の短冊に願い事を書き、笹に飾って、星にお祈りをするようになりました。
当館でも七夕の時期に合わせ、来館したお客様に短冊へ願いごとを書いてもらうコーナーを実施予定です。来館した際には、ぜひ、短冊に願いを書いてみてくださいね。
○七夕の星たち
七夕は織姫と彦星が天の川を渡って、1年に1度だけ出会える日です。さて、織姫と彦星は夜空のどこに見えるのでしょうか?見つけてみましょう。
夏のころ、東の空を見上げると明るく輝く3つの星が見えます。夏の大三角です。夏の大三角の星のうち、一番明るい星が織姫星のベガ、次に明るい星が彦星のアルタイルです。ベガとアルタイルよりも暗いデネブの3つの星を結ぶと夏の大三角になります。
夏の大三角の辺りには雲のようにぼんやりと光るものが見えています。七夕物語の舞台となっている天の川です。街明かりが少ない暗い場所でないと天の川はなかなか見えません。条件(月明かりなど)にもよりますが、福井だと大野市の六呂師高原がおススメです。
図1 2021年8月14日22時頃の空 ©StellaNavigator/AstroArts(一部加筆)
しかし、7月7日というと、福井は梅雨の真っ只中で、なかなか晴れない時期が続きますよね。もし、七夕の星や天の川を見るのであれば、旧暦の七夕頃がおススメです。旧暦の七夕のことを「伝統的七夕」と呼んでいます。旧暦というのは現在使われている暦ではなく、昔の暦のことです。今年の伝統的七夕は「8月14日(土)」で、月が沈む午後22時頃から観察するのがおススメです。(図1 参照) 頭の上近くに七夕の星たちが見えていますので、夏の大三角をヒントに探してみてくださいね。