2021年7月12日(月)から14日(水)、金星と火星がとても近づいて見えます。最も近づいて見えるのは13日の夕方ですが、前日の12日には、金星と火星のすぐ近くに三日月よりも細い月齢2の月が寄り添うので、夕暮れ時に美しい天体ショーが楽しめるでしょう。
図1 2021年7月12日(水)20:00の福井の空 (福井の日の入り19時14分)
© StellaNavigator/AstroArts(一部加筆)
○どうしたら見られるの?
月と金星と火星の集合を見るためには、7月12日、チャンスは日の入り後から1時間程の短い時間です。方角は西のやや北寄り(西北西)です。(図1 参照) 3つの天体が見られるのは空の低いところのため、西の空の見通しが良い場所を選んでください。福井市でしたら、海沿いまで行くと西の水平線まで見渡せるので、最高の条件ですね。
この日の福井の日の入りは19時14分。太陽が沈んだらなるべく早く観察を始めましょう。まずは金星探しからです。金星は、太陽が沈んだ後、西の空の低い所に見られます。この時期、金星は-3.9等もあり、まだ明るさが残る空でも探すことができるほど明るく輝いています。
金星を見つけることができたら、その少し右上に月を探してみてください。この日は月齢2の細い月がすぐそばにあり、なかなか絵になる眺めになるでしょう。月と金星の姿は、肉眼でも十分見ることができます。ただ、火星は1.8等とあまり明るくなく、しかも、まだ空が明るい時間帯ということもあり、肉眼では見つけるのは難しいかもしれません。お持ちの方は双眼鏡や望遠鏡を使うと見つけやすくなるでしょう。
月は、13日、14日と、日に日に金星や火星からは離れていきますが、日の入り後に見える金星(宵の明星)の見頃は12月頃まで続きます。
○近づいて見える!!ぶつかってしまうの!?
図2 2021年7月12日頃の地球・月・金星・火星の位置関係
図2は太陽系の様子を表しています。私たちが住む地球や、金星、火星などの惑星は太陽の周りを、月は地球の周りを回っています。
金星と火星が近づいて見える時期は、地球から見ると、金星と火星が同じ方向にあるのが分かりますね。そのため地球から見ると2つの惑星は並んでいるように見えるのです。また、金星と火星の距離はかなり離れていることも分かりますね。さらに、月は地球のすぐ近くを回っているため、金星や火星とはかなり距離があります。つまり、金星・火星・月は、地球から見るととても近づいて見えるのですが、ぶつかってしまうことはありません。3つの天体が近づいて見えるのは、見かけ上だけというわけです。安心して眺めてください。
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